医療業界が抱えるいろんな問題

知っていますか?

看護師不足

現在、日本において看護師不足は深刻な問題になっています。都会、地方に関わりなく、多くの病院で看護師の数が足りていない状況です。一口に看護師不足と言っても都市部と地方では状況が異なり、それぞれに別の問題を抱えています。ここではまず都会、地方それぞれに生じている看護師不足の問題について見ていきたいと思います。

<都会での看護師不足の要因>

①退職者の多さ
都会での看護師不足の原因は主にその退職者の多さにあります。希望を持って看護師になったものの、夜勤を含むあまりの激務に耐えきれずすぐに退職してしまう新人も少なくありません。また、9割が女性という看護師の現場では、結婚や出産、育児といった生活と看護師の仕事が両立させにくいという、女性ならではの問題も多く見られます。そういった事情で次々と看護師が辞めてしまい、常に欠員が出ているような状況になっています。

②転職のしやすさ
都会には病院や医院が多く、看護師がより条件のいい職場を求めて転職することも容易です。看護師の資格を持っていることで活躍できる場は意外と多く、医療機関以外にも介護施設や保育所といった福祉系の施設、一般企業においても資格を活かすことができます。このように看護師が転職しやすい状況にあることも都会での看護師不足の一因なのです。

<地方での看護師不足の要因>

①人材流出
地方において看護師が不足している大きな原因が都市部への人材の流出です。2006年の制度改定で始まった「7対1看護」では7人の患者に対し1人の看護師が対応することを原則にしました。それまでは10対1、15対1などで行われていた看護が7対1となり、どの病院でもそれまでよりも看護師を増員しなければならなくなってしまいました。有名大学病院を中心とした都会の病院は一斉に看護師の獲得に乗り出し、新人看護師はもちろん、地方に勤務する中堅看護師の引き抜きまで行い始めます。これをきっかけに、経済力や知名度で劣る地方の病院は深刻な人材不足に陥ることになったのです。

②若者の地方離れ
一般的な就職と同じで多くの若い人は看護師として働くにも地方よりも都会を選択する傾向があります。現実的な就職先としても地方には大きな病院や看護師の資格が活かせる職場が少なく、新人看護師が地方を離れる要因にもなっています。また、看護学校などの教育施設も都会の方が充実している上に、最近では専門学校よりも大学へ通うことが主流になってきており、都会の看護大学に入学したままその近辺の病院へ就職するという流れもよく見られる傾向です。